マンドリンって?


マンドリンは、イタリア発祥の弦楽器です。起源は17世紀あたりまで遡りますが、 現在の形(ナポリ型)になったのは19世紀に入ってからだそうです。 19世紀末頃から、同系列の楽器を中心として構成されるマンドリンオーケストラというスタイルが流行し、 日本でもマンドリン合奏が盛んになりました。ここでは、マンドリンオーケストラを構成する5つの楽器を紹介します。


マンドリン

まず、マンドリンオーケストラの主役、マンドリン。略してドリンと呼ばれます。 琵琶のような形をした、全長50cmほどの小さな弦楽器です。 8本のスチール弦(2本1コースの複弦4コース)から成り、それらをピックで弾きます。  音域はヴァイオリンと同じで、合奏では主に主旋律を担当します。

マンドリン最大の特徴は、「トレモロ」と呼ばれる奏法です。 弦を高速のオルタネイトピッキングによって掻き鳴らし、持続音を表現します。ちゃららららららーって感じです。 一見職人技のように見えますが、数ヶ月練習すれば誰でも出来るようになりますよ。


マンドラ・テノーレ

次に、中音域を担当するマンドラ・テノーレ、通称ドラがあります。
見た目・構造・奏法などマンドリンとほぼ同じですが、マンドリンより一回り大きく、調弦も1オクターブ低くなります。
主旋律を弾くこともあれば伴奏を弾くこともあり、おいしい役が多い楽器です。まろやかな音色も癒しですね。

マンドラにはマンドラ・テノーレとマンドラ・コントラルトの2種類があって、合奏ではテノーレを使います。

コントラルトはヴィオラと同じ音域で、声部記号もハ音記号で書いてあります。


マンドロンチェロ

低音域担当のマンドロンチェロ、通称チェロ、セロ
ギターと同じぐらいの大きさで音域もかなり低く、マンドラよりさらに5度低く調弦します。鋭い低音と柔らかな高音、そして重音の迫力が魅力です。

根強いファンが多く、「マンドロンチェロ弾きの集い」なんて演奏会も存在します。楽しそう!
オーケストラではこれらドリン、ドラ、セロの3つをトレモロパートと呼んだりします。


クラシックギター

さらに、一般の方々にも馴染み深いと思われるギターもあります。合奏では高/低音域、主旋律や和音などなど、幅広く活躍する楽器です。
マンドリンオーケストラではクラシックギター(ガットギターとも言う)が使われます。
いわゆるフォークギターに比べネックが太く、弦もナイロン弦を張ります。


コントラバス

最後に、ベースラインを担当するコントラバス、 通称ベースがあります。ベースはとにかくデカイです。重いです。弦太いです。
そして最大の特徴はやはり、フレット(音程を変えるための金属棒)が無いということでしょうか。
そのため押弦ポイントを目測で判断しなければならず、慣れないうちは正しい音程が出せません。
また、弦を弓(arco)で弾く場合があるというのも大きな特徴の一つです。

ちなみに、広島市立大学でコントラバスを所有しているのはマンドリン部だけなんです!